【イベント告知】ヒストリー・カフェ 精神医療の歴史 10月19日、第2回開催!

ヒストリー・カフェ

 2019年度「ヒストリー・カフェ 精神医療の歴史」第2回は、鈴木が話題提供をします。1930年代に東京の王子精神病院の症例誌から、同じ時期に入院し、最終的には同じ時期に死亡した2人の朝鮮移民の患者を比較します。2人の移民・患者は、朝鮮と日本のいずれにおいても大きな社会的な異なりを持ち、病院内でも興味深い関係を持ちました。その様子を明らかにしたいと思います。

第2回テーマ
「戦前東京の精神医療の場─王子脳病院」
講師 鈴木 晃仁 (慶応義塾大学)
日時 2019年10月19日(土)14時~16時 ‐終了‐
会場 立教大学池袋キャンパス5号館 5209教室      キャンパスへのアクセス >
第3回テーマ
「戦前京都の精神医療の場─京都癲狂院と岩倉」
講師 中村 治 (大阪府立大学)
日時 2019年12月21日(土)14時~16時 ‐終了‐
会場 立教大学池袋キャンパス6号館 6409教室      キャンパスへのアクセス >
第4回テーマ
「民間治療場と精神医療史の邂逅─富山県大岩山日石寺と徳島県阿波井神社を中心に」
講師 兵頭 晶子 (歴史研究者)
日時 延期・開催日未定
会場 立教大学池袋キャンパス6号館 6209教室      キャンパスへのアクセス >


ヒストリー・カフェ 精神医療の歴史

◆趣旨説明◆

 こころの病をめぐる場面は、日常のいたるところに存在しています。わたしたちは、仕事や学校でのストレス、悩みや衝動を自らかかえ、あるいは家族や同僚のこころの問題とも向き合いながら生きています。ときに、医療や福祉の助けを借りなければいけない場合も生じます。精神医療は、人間の生の営みにとって欠かせないものです。また、その現場には、当事者の方、精神科医、臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士、音楽療法士など、さまざまな方々がかかわっています。そのような精神医療の「イマ」を少し立ちどまってみつめなおしてみる。ご自身がいる「時間」と「場所」から一歩引いてみて捉えなおしてみる。精神医療の歴史学は、精神医療の「イマ」をそんな風にみつめなおす手段となる学問です。
 歴史を知ったあと、「昔はひどかった」「いまは医学が進歩してよかった」と思うこともあるでしょう。先人たちの思索や試行錯誤を知ることで学ぶことは多いと思います。一方で、「いつの世でも変わらない」ことや、「なぜいまだに解決しないのか」「新しい問題が生じたのか」と思うこともあるかもしれません。歴史というものは、実に複雑で、まっすぐと進歩するものではないからです。複雑で難しいのが歴史だという点で、「レキシ」は明日すぐにはつかえません。しかし、「イマ」をかんがえるうえで、大事な視点を手に入れることにつながります。
 今回の「ヒストリー・カフェ」とは、通常の講演会や研修会とは異なる形式の学びの場です。最初の45分間は講師からテーマについての話題提供があり、その後に参加者全員から質問・感想・意見をいただき、話し合いを深めてゆきます。ご自身の体験や「イマ」感じていることを「レキシ」と絡めて考えていただける場として、今後も継続的に開催していきたいと考えております。みなさまのご参加をお待ちしております。

<お問合せ先>

立教大学文学部史学科 高林 陽展

atakabayashi rikkyo.ac.jp