天然痘 - 医学史と社会の対話

Tagged
季節性インフルエンザワクチン接種―医療政策と接種習慣の日米比較  /ジュリア・ヨング(法政大学)
Click here for an English version. >>  日米の医学と社会の歴史の中で、感染症がたびたび発生して広範囲に広がることは大きな特徴である。しかし、今では、有効なワクチンの開発により、伝染病による大流行は比較的まれな現象となった。また、科学や技術が大きな進歩をして、麻疹、ジフテ...
120年前のアメリカ農村部の種痘政策——分権的制度と情報化の文脈で /平体 由美(東洋英和女学院大学)
 天然痘をはじめとする伝染病がもたらす影響や、天然痘を予防する種痘を歴史的にどう理解するかという課題は、近年の医療史の大きなテーマとなっています。新しい薬が開発された、病気が防がれた、町は救われた、という成功物語にはとどまらない「意味」を見出す試みが、広く行われています。ここでは、20世紀初頭のアメリカ合衆国ノースカロ...
津和野の医療史をたどって——医食の学び舎(旧畑迫病院)訪問記 /藤本 大士(東京大学大学院)
 明治の文豪・森鴎外。数々の作品を世に残した鴎外は、代々藩医をつとめる家に生まれ、自身も医者となりました。鴎外が生まれ育ったのは、島根県の南西に位置する津和野です。廃藩置県後、浜田県(のち島根県)に入った津和野は、1889(明治22)年に津和野町として発足しました。1955(昭和30)年に津和野町は近隣の小川村・畑迫村...
天然痘ワクチンに使われたウイルスの正体/廣川 和花(専修大学)
種痘の歴史研究における新展開  先頃、医学研究のトップジャーナルのひとつLancet Infectious Diseasesに、19世紀から20世紀の天然痘ワクチンである「種痘」に使われたウイルスについての興味深い論文が掲載されました。ブラジルの研究者Damasoによる論文です。  1796年、ジェンナーが搾乳婦の腕に...