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「療治証文」とは何か? ―――江戸時代の医師がはたした「役」/海原 亮(住友史料館) 
江戸時代の医師は、専門的な医の知識・技術を所有し、治療に役立てることを根拠に、社会のなかで独自の位置を占めてきました。 病気や怪我をした患者の治療をするのは職業上、当然のことですが、彼らには、さらに重要な役割が求められて...
永井隆と医学の殉教者
シーリン・ロー(シンガポール国立大学歴史学部・准教授) 今日の放射線学は、医学において不可欠の領域であり、診断や治療に日常的に用いられている。しかし、19世紀末から20世紀初頭にかけて、医師・看護師・技師など、この領域の...
江戸時代の乳をめぐるネットワーク/沢山 美果子(岡山大学)
 江戸時代は、出産で死ぬ母親、幼くして死ぬ子どもが多く、いのちを繋ぐことが厳しい時代でした。そんな時代に、人々はどのようにいのちを繋いできたのか、赤子の命綱である「乳」を手がかりに明らかにしてみたい。そう思って、2017...
「拒食」の解釈について考える /山田 理絵(東京大学)
1. 社会的行為としての「食」  私たちがものを食べるという行為は、生存のために欠かせない「自然な」行為であると同時に社会的な行為でもあります。例えば、なにをどのように食べるのか、という食事のあり方は歴史的文脈や文化的な...
江戸時代佐賀藩の医師免許制度 /青木 歳幸(佐賀大学)
 現在、医者になるためには、医師国家資格試験に合格しなければなりません。平成30年(2018)の第113回医師国家資格試験には、10,146人が受験し、9,029人が合格して、医師になる資格を得ることができました。  な...
精神病院から生まれたアートと体験型鑑賞プログラム /高林 陽展(立教大学)
 7月20日(土)、2019年度第1回ヒストリー・カフェ「精神医療の歴史」を開催した。このイベントは、文字通りコーヒーとお菓子を手もとにおきつつ、歴史家と参加者たちが、精神医療の歴史というテーマについて語りあうというカジ...
戦前の私立精神病院が遺した記録たち―王子脳病院・小峰病院・小峰研究所― /清水 ふさ子(慶応義塾大学)
組織の歴史  小峰資料群は「王子脳病院」「小峰病院」「小峰研究所」の3つの組織で作成された記録を主としています。王子脳病院(写真1)は1901年に現在の東京都北区西ヶ原に設立された精神病院で、1925年に同敷地内に小峰病...